円やかに生きる ー谷保暮らしー

東京都のど真ん中国立市谷保地域にて、畑を耕して、地域に関わる暮らしを書き記すブログ。そのほか天真体道、身体、詩、関わることをツラツラと。

たくさんの僕

君は何人いるの? 僕はたくさんいるんだ。 毎日、新しい僕が出てくる。 古い僕は、いつだってそれが僕だって認めたくないみたいだ。 僕なのにね。 いつ新しい僕は産まれてくるんだろう。 君といると、新しい僕がでてくる。 僕はびっくりする。 また違う君と…

静寂

緊張が伝わる 僕の緊張か 相手の緊張か 和やかに話しながら触れはじめる 少しぎこちなさを感じたり 顔の強張りを感じながら進んでいく ふと会話が切れて突然静寂がやってくる 違和感なくやってくる もう言葉はいらないな そんな瞬間はふとやってくる 一人と…

穏やか

おだやかな人はゆったりしてそう。 おだやかな人はどっしりしてそう。 そうなのかな。 おだやかって何なのかしら。 穏やか。 落ち着いて静かな様。 だって。 うん、わかるよ。 木のような人かな。 落ち着いてどっしりしてる。 でも動かないでどどーんといる…

とうがらし

暑さの中、草を刈っていると楽しそうな笑い声が聞こえてくる ああ、知っている声 子どもの声 すうっと僕の中に入り込んでくる 虫の声、風の音、草が触れ合う音 そんな音も気持ちよいけれど その瞬間の感情が素直に乗った笑い声はとても心地よい 「とうがらし…

8月6日

8月6日。 日付を見て、ただもう8月かと思うだけ。 なんとも鈍く、小さな僕だろうか。 8月6日。 もうすぐ27歳になってしまうのか、なんて思うだけ。 ああ、家族旅行が近いなあ、なんて。 自分のことばかりで、それで精一杯の僕だ。 8月6日。 そうい…

黒と赤

五日市街道を走らせる 車線の上に横たわる黒い何か 動かない 一瞬で通りすぎる 眼に映る赤 いつどこででもそれはある 涙がこぼれる 黒い何かの代わりに泣いているのか 何を悲しんだのか 悲しみとはなにか 何のために生きる 何か残してしまうようなものはない…

夏の静けさ

雷がゴロゴロ、雨がバシャバシャ。 黒い雲が通りすぎると、青が顔をだす。 蝉が鳴き始めた。 夏。 今、夏になった。 虫の声一つですうと身体の力が抜ける。 カレーを作る。 ご飯を相変わらず食べ過ぎる。 珈琲を淹れる。 砂糖なんていれない。 ミルクももち…

悟っているかのようにして

どうしようもなく何かが必要であるとき 結局のところ身近な人へと走るのだ 必要であることを餌にして 理性では帰らねばと思いながらもすぐにその場の慰めや気休め優しさに流されていく何がよいかなどわかるはずもない 大抵歳をとるごとに悩むことは減るのだ…

呪文

旧くからの知人と 酒を酌み交わしているはずなのに言葉はその身体をすり抜けて 能面のような白壁に染み込んでいく お互いの言葉はただ発しているだけのようだ何か呪文のような言葉なのだけれど それがなにかは僕にはわからないトーシバがどうだ オリックスは…

おとな

おとなのせなかをみておもったんだおとなっていうのはツラそうにしてる おとなっていうのはじぶんかって おとなっていうのはじぶんもやれてないのにぼくらにはやれっていう おとなっていうのはぼくらのいけんをきかない おとなっていうのはなんにもしてくれ…

ぼくは、家なのだろうか

最近、身体の中のこと。 とても小さい生き物たちについて機会があり、考えた。ぼくは、家なんじゃないだろうか。 色んな小さな生き物たちが僕の中に住んでるんだろう。 ウイルスが侵入すれば、小さな住人たちが戦ってくれる。 自分の家を守ろうと。 家に傷が…

触れる 解れる

あいも変わらず、ばたばたと忙しそう お礼状を書いているみたい あぁ、ちゃんと書くなんて偉いな、なんて僕は思う 母は、字がうまい きれいな字を書く 父のが意外と癖あったりするんだよな 肩が凝っているから揉んでほしい 昔からよくやってる 僕は結構うま…

ボビー

黒くて黒くて 目がどこにあるかわからない そんな君は小さくて細っちくて 誰に似たのか神経質で でも温かくて お人形みたいで いつも無理矢理抱っこして いつもジタバタ嫌そうにして身体も弱くて 誰に似たのか臆病者で でも僕には威張って おさんぽいくと 僕…

雨は描いていく 鱗模様を描いていく 僕のズボンをキャンバスにして 雨は描いていく雨は奏でていく パタパタとシトシトと 木々や傘を すべてのものを楽器にして 雨は奏でていく雨は流れていく 川のように 小さな傘を伝わって アスファルトを伝わって 何かを洗…

夜が好き夜は何もしなくていいんだ だって夜だもの 人はあまり出歩かず ひっそりしている 夜は静かなものだ夜中歩くのも悪くない よく夜の公園を歩いたものだ 何もしないで 誰とも話さないで歩いたものだ 何にもしなくていいんだ 夜は静かなものだから騒がし…

悲しい顔で怒らないで

子どものころ 小学生のころも 中学生のころも 高校生のころもだろうか怒るときに泣いてしまう ぼくはそんな子どもだった 涙はこらえるのだけれど それでも涙がこみあがってくる大人になったいま そんな子どもとふれあっている怒りが抑えられなくて チクチク…

臆病

マンションに住んでいたころ 彼が五つかそこらのころ 彼らは同じ部屋で寝ていたふたつのつながったベッドには 父と母とまだ幼い妹が その横に敷かれた布団に兄 そして彼は両親と妹の足の下 たしかにそんな風だった彼の頭上には布団か何かが積んであった 布団…

スマホするする

あ、新しく考えが浮かんだ。 なんだか面白いかもしれない。 タイトルは、『僕は家』でいこう。スマホの画面をポチポチと叩く。ポチポチ? 違うな。 叩く? 違うな。スマホの画面にスルスルと指を滑らせる。まあまあか。 スルスルってのも、違うな。 なんだろ…

まろやか

自転車によく乗る。 基本的に、できるだけ近くで完結できる暮らし方がいいと思っている。 縛られるものがなければ、そんな観念もなくなるかもしれないけど。まあ、とにかく自転車にはよく乗る。 トレックのクロスバイク。黒い。 乗りはじめて、すぐにライト…