触れる 解れる
あいも変わらず、ばたばたと忙しそう
お礼状を書いているみたい
あぁ、ちゃんと書くなんて偉いな、なんて僕は思う
母は、字がうまい きれいな字を書く
父のが意外と癖あったりするんだよな
肩が凝っているから揉んでほしい
昔からよくやってる
僕は結構うまいらしい
他にやるやついないだけかもな
年老いたことを感じさせるその皮膚の感触は
それでも懐かしく温かい
呼吸は深くね、とか
食べるものとかも気をつけたほうがいいよ、とか
自分自身に言っている節もあるその言葉
普段ならうるさいわね、と言われるその言葉も
身体に触れると、不思議と優しくなる
身体に触れると、不思議とするりと伝わっていく
身体に触れると、不思議と心は解れてく